- Blueskyは見た目はTwitter/Xみたいだけど、お金持ちが買収してめちゃくちゃにするのを防ぐのを目標として、そのための仕組みをいろいろ用意している、というところがTwitterとは違うところです(この公式ブログの記事で「billionaire-proof」と表現してます)
- Twitterの創業者であるJack Dorseyがきっかけで始まったプロジェクトで、彼は今でもBlueskyのボードメンバーではあるっぽいのですが、今はBlueskyの開発や運営にはほとんど関わってないようです ※1 ※2。最初の出資者ではありますが、現在はもっと多くの出資者がいます。今はnostrを中心に活動してます
- 2024年2月23日に、BlueskyのPDSのフェデレーション(連合)というものが始まりました。Blueskyが分散SNSであると言われるために必要な第一歩です。PDSってのはユーザーの投稿、いいね、フォロー、とかそういうものを蓄えているサービスです。
- ハンドルについて
- 今、アカウントをBluesky公式サーバー(PDS)で作成すると、Blueskyでのユーザー名(ハンドル)は初期設定では、
@tkusano.bsky.social
のように、.bsky.social
というドメインに希望した文字列をくっつけたものがハンドルになります。 - TwitterやInstagram、スレッズでは認証アカウントであることを示すバッジがありましたが、Blueskyにはありません。代わりに、自前のドメインをハンドルにすることができるので、それで「本物、あるいは、公式であるかどうか」を確認することができます
- たとえば、ゲームメーカーのセガのBlueskyでのアカウントのハンドルは
@sega.jp
ですが、セガのホームページのsega.jp
と同じなので、このアカウントはセガのものだと確認できます。バッジなんかいりません - 日本経済新聞も
@nikkei.com
というハンドルなので公式だとわかります - 会社とか芸能人じゃなくても良いです。私個人は昔から
tkusano.jp
というドメインでホームページを作ってますが、Blueskyでのハンドルも@tkusano.jp
となってて同じです。すくなくともtkusano.jp
というページ(ドメイン)の管理者と同じであることは確認できます - Bluesky経由でドメイン買うと設定をよしなにやってくれます(現在のBlueskyの唯一の収入源です)
- 現状は特別な指定をしなければそBluesky公式のPDSを指定してアカウントを作ることになり、
.bsky.social
というドメインのハンドルになります。 - しかし、他のPDSが本格的に稼働してくれば、そのドメインのハンドルを最初から選べるようになるでしょう。
- なので、
.bsky.social
というドメインの名前にこだわる必要はないです。tkusano.bsky.social
という名前は取れなかったけど、tkusano.bsky.example
なら取れたー、なんてこともそのうち普通になると思います。どうしてもというなら、tkusano.jp
というドメインを取って好きなPDS上にホスティングすればよいです - ハンドルが変わっても変わらない文字列がユーザーには割り当てられています。これはDIDというものです。たとえば私のDIDは
did:plc:urj4pkche2yvpr5ilj4ykteu
です(これは公開情報なので隠す必要はありません) - DIDがわかれば、どのようなハンドルを使ってきたのかの履歴もわかります。ここにアクセスしてみましょう→ https://plc.directory/did:plc:urj4pkche2yvpr5ilj4ykteu/log/audit
- 今、アカウントをBluesky公式サーバー(PDS)で作成すると、Blueskyでのユーザー名(ハンドル)は初期設定では、
- フェデレーションについて
- Blueskyが連合を始めたということで、MastodonやThreads、Misskeyなどともつながるようになるのか!と勘違いしている方もちらほらいらっしゃいますが、仕組みが違います。MastodonやMisskeyなどはActivityPubという仕組みで相互につながっています。それに対して、BlueskyはAT Protoolという仕組みを採用しています。nostrともまた違います
- MastodonやMisskeyなどのActivityPubの仕組みというのは「完全に独立し、それぞれで完結している(ミニ)Twitter的なサービス(インスタンス)」があちこちにあって、それぞれのユーザーが他のインスタンスのユーザーをフォローすることもできるという仕組みです。他のインスタンスに引っ越すと、フォロー・フォロワー関係を持っていくことはできますが、アカウントのハンドルも変わってしまいます。これがBlueskyがAT Protocolという別の仕組みを開発することにした理由です
- Mastodonはポリシーとして検索機能は弱いです。インスタンスを横断して検索することもできません(技術的には可能ですが、やろうとすると炎上します)。そのポリシーは理解できるものだし、尊重すべきですが、ちょっと物足りないなと思うのも(個人的には)あります
- Blueskyで採用しているAT Protcolは、データ(ポスト)を保管するPDS、ポストを集めてくるRelay、集めてきたデータをBlueskyというアプリで見やすいようにアレンジするAppView、といった仕組みがそれぞれ別々に動くようになっています。そして、それをBluesky公式ではない人も運用できるという仕組みです。それとは並列して、「この画像は18禁だ」「このアカウントは偽物だ」みたいな判定するサービスも自由に運用することもできます(できるようになります)。
- モデレーションについて
- PDSを日本で運用すれば日本国内では許されている二次元のポルノなロリな絵も自由にポストできるようなるかも、という期待をしている方もいらっしゃいますが、PDSだけ分離してもだめです。現状はBlueskyのポリシーに従うしかありません。
- 念押ししますがBlueskyでは「二次元のポルノな絵」はぜんぜんOKですが「二次元のポルノなロリな絵」はだめです。「ポルノなロリの写真」は日本でもだめです。BlueskyはCOMIC LOに掲載されてる漫画のレベルはだめ(2024-02-23 23:33追記:ガチにダメなデータで試してない(試せない)のでここは想像も含みます)
- 2024-02-23 23:32追記:HIVEからの自動通報以外に人間からのレポートへの対応、っていうのもやってるっぽいので、HIVE的にはOKくらいの画像でも対応してるスタッフによっては「こいつはダメでは」ということもあり得ます。この辺の話はコードの中身と、スタッフのBluesky上でのやりとりからの想像です
- なお、Blueskyの規約やコミュニティガイドラインにそう書かれているわけではありません。単に「child sexual abuse material」と書かれてるだけですが、日本では二次元の絵なら実在する対象を描写したものではないでOKだけど、アメリカ、カナダ、EUあたりだと二次元、三次元区別なく違法である可能性が大いにあります(裁判の果てにOKになってたりします)
- BlueskyではHIVEというAIが画像のモデレーションの判定をしてて、その判定の結果を人間がチェックしてモデレーションしてるようです。HIVEは判定のみに使ってて、Blueskyに投稿した画像データをHIVEはAIの学習には使ってません ※3
- HIVEがどう判定しているのかは、HIVEのdemoのページ (https://thehive.ai/demos )で確認できます。ここに画像をアップロードすればどう判定してるかがわかります(ここにアップロードすることによってHIVEがアップロードする画像をどう扱うかについてはHIVEの規約を確認してください)
- 逆にBlueskyとしてはオッケーだけど日本ではだめなやつ(性器にぼかし入れてない絵や写真)はBlueskyではたくさん流れてきますが、それはどうなるでしょう?日本のPDSでホスティングすれば日本の警察にガサ入れされるかも
以上、2024年2月23日時点のメモです